楽屋噺

猫八先生すごいよという話

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「一か月間ブログ更新してないじゃないか、この怠け者目め!!」「だって怠けたいじゃないか、キーボード打つの億劫だもの」「う~ん、この正直者め」

はい、ということで久しぶりに更新したいと思います。いま、寄席では国立演芸場にて猫八襲名披露興行がラストスパートをむかえております。私も何度かお手伝いで伺いましたが、もう連日いっぱいのお客様です。主に物販の販売のお手伝いをするんですが、長蛇の列です。こりゃお客様も大喜びだな、お祭り騒ぎだな、めでたいなという感じです。

猫八先生とお話をしていて、とても印象に残っている話があります。あれはまだ先生が小猫時代、寄席に入りたての頃だと思います。先生が楽屋にいらっしゃって、私も前座で楽屋におりました。確か、鈴本演芸場です。楽屋の窓が空いていて、何だか妙な鳴き声が聞こえてきたのです。鳥です、鳥の鳴き声には違いないのですが、聞いたことのない鳴き声。なんだか犬の鳴き声に似ているような…。

志ん松
志ん松

小猫先生、この鳴き声は何の鳴き声ですか?

あぁこれはカラスですね!

志ん松
志ん松

カラスですか?カァ~とは鳴いてませんけど…。犬みたいな鳴き方ですよ

カラスは賢いので、生活圏に犬がいるとその鳴き方を真似するんですよ

流石だ!!スゴイと感動したことを強烈に覚えております。カラスの鳴き方を知っているだけでは分からないことですよね。動物に対して深い造詣がないと言えないことです。おそらく、他の生き物にたいしてもそうなのでしょう。鳴きまねをするにあたり、その動物のことを深く研究されているのでしょう。あの芸にはそういう見えない知識が礎になっているんだと感激しました。

私なんかいまだに「たらちね」の言い立ての意味もよく分からないまま、しゃべってるし。習った時に「どういう意味ですか?」て聞いたら「分からねぇ」て言われたのに…。江戸時代からそんな訳の分からない事を、訳の分からないまま人前でしゃべり続けていて、それはそれですげぇと感動しましたけどね!

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