前座時代を共にした同居人たちは奇人揃い

楽屋噺

前座時代に井の頭の同じアパートに住んでいた噺家がおりまして。先輩の柳家花いち兄さん後輩の入船亭遊京の二人なんですが、変な人たちなんですよね…。

同じアパートに住んでいたいという大変深い縁があるので、以来三人で井の頭でずっと地域寄席をやっております。ですから二か月に一度は二人に会う機会があります。私が前座の頃からやっている落語会なので、もう長いことやっているんですが、楽屋の様子を見ると誰一人成長というものを感じさせません。花いち兄さんは落語会の奇人筆頭なので、相変わらず挙動不審です。

志ん松
志ん松

ん?あれ?どこかから変な声が聞こえる?島の部族の呪いの呪文のような声が…

お~あ~お~あ~お~あ!!

志ん松
志ん松

・・・・・・。

お~あ~お~あ~お~あ!!

部族ではありませんでした、花いち兄さんの発声練習でした。こんな発声練習は初めてみました、どこで習ったのでしょうか。兄さんのことは昔から存じ上げておりますが、この発声練習を目にするのは初めてだったので一瞬驚きましたが「兄さんは変わらないなぁ」と安心感も抱きました。

その日の兄さんが高座を終えて、放った一言は

めちゃくちゃ嚙んじゃった!!

でした。あの発生練習は何だったんでしょうか?

後輩の遊京は京都大学をストレートで入学するようなエリートですが、みんなに「学歴の持ち腐れ」と言われております。賢すぎるがゆえに、もはや私のような凡人には理解の及ばない世界にいらっしゃいます。急に中国に高飛びしたりします。遊京がその中国での旅の思い出を漫談調に仕立てた「中国漫遊記」なるものがあります。とても面白い内容なんですが、その漫談でNHK落語家選手権に挑んでおりました。流石に注意しました。

志ん松
志ん松

あれは落語の大会だから、漫談はまずいんじゃない?

いや、イケると思ったんですよ~

私の注意なんぞ聞く人ではありませんでした。そもそも遊京は私や花いち兄さんに対して、あたりが強いです。ずけずけとものを言ってきます。怖いです。こないだの楽屋でもそうでした。

志ん松
志ん松

この頃寄席にいても誰にも話しかけられないよ

あ~それはみんなに嫌われてますね。兄さんのやることは大体裏目に出てますから

志ん松
志ん松

・・・・・・。

そんな二人とやる落語会が明後日5/27(土)赤羽岩淵であるので来てね!!

ご予約はこちら 871official@gmail.com

070-8322-4454

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