東京の噺家が良く使っている帯があります。浅草にある「帯源」というお店の帯です。ほとんどの噺家が使っていると言っても過言ではない帯です。皆が愛用する理由がいくつかありまして、まず高級感というか重厚な感じがあります。
銀色の方が帯源です。黄色の方がそうでない帯です。並べるとよくわかりますが、厚みが全然違いますね。もう一本の方がペラペラに見えます。まぁそれだけ重くて大きいので、風呂敷に2本も入れると運ぶのは結構しんどいという難点はありますが。また締めた時に厚みでキュルキュルと音が鳴るのが、たまりませんね。ペラペラの帯だとそんな音はでません。
しかし、噺家が愛用している最大の理由はその重量感ではなく、細さだと思われます。これだけ重くて厚いのに帯源の帯は細いのです!
手前が帯源の帯です。普段着物をお召にならない方には「大して変わらないじゃん」と思うかもしれないですが「この1cmの細さが粋に見えるのだ!」と噺家たちは豪語しております。細い方が足が長くみえますしね、わずかにですが。
この帯源のお値段はなかなか高いです!確か一本3万円以上すると思います。ですから真打昇進などでプレゼントされると噺家は大変に喜びます。そういうお客様からいただいた物を、披露目の高座で飾ったりしてますね。
ただ、悲しいことにこの帯は長いこと使うとほつれてしまいます。この帯に限らないと思いますが、高い分悲しくなります。もちろん帯源に修理に出せば直してくれますが、それもなかなかのお値段です。暇な二つ目には厳しいです。そこで次回は【私のほつれた帯源の帯を自分で修理してみた】を載せたいと思います。