楽屋噺

噺家の言う事を信じるな

投稿日:

楽屋内の有名な話があります。私の師匠志ん橋と、ある前座との会話です。高座を終えた師匠が前座に

上着とっておくれ

わかりました!

なぜかおもてに駆け出す前座。15分後出前が届き

お待たせしました、鰻です!

師匠は黙って鰻を食べて帰ったという話です。私は前座の時分に何度かこの話を聞いたことがありました。二つ目になってから勇気を出して聞いたことあります。

師匠鰻食べて帰ったって話本当ですか?

……それ俺じゃないよ。その話は昔からあるんだよ

なんとこの話は師匠の時代から楽屋で話されていた話で、本当にあったかどうかもわからない話だそうです。誰かが主人公を志ん橋にしたら面白いだろうというので改変したようです。噺家の言う事を信じたらいけません!

-楽屋噺

執筆者:

関連記事

漫画家に見初められた話

 前座時代24歳~29歳の5年間というのは、師匠宅と寄席と自宅を往復の毎日でした。寄席以外にもたまに「わき」の仕事があります。「わき」の仕事というのは、寄席ではなく落語会に前座として働きに行くことです …

落語界のときわ荘

柳家花いち、古今亭志ん松、入船亭遊京の3人が前座時代に住んでいたアパートを『落語界のときわ荘』と呼んでいます。自分達で。風呂なし、トイレ共同、家賃2万8千円。本物のときわ荘と違うのは誰も有名になってい …

しあわせの話③

 廃業した、しあわせという名前の後輩の話です。前座の一番大事な仕事はお後の師匠にネタを伝えることだと思います。前の人のネタが分からないと、自分のやるネタが決められないからです。主にネタ帳に書いてお伝え …

中国から帰ってきた後輩の話。

 二つ目になって早々、中国を半年間旅した後輩の話です。彼は無事に帰国し、中国の経験を面白おかしく漫談に仕立て上げ「中国漫遊記」として高座で披露し、好評を得ていました。その時分に妙なことを口走るようにな …

no image

猫がいる!?

桂しん乃姉さんの話です。昔二人で池袋演芸場という寄席で前座で働いておりました。高座に上がっていたのは正太郎兄さんです。兄さんは「たいこ腹」をやってました、ちょうど猫に試し針をしようとする場面でした。 …

落語入門 はてなの落語

出演情報