楽屋噺

しあわせの話③

投稿日:2021年1月26日 更新日:

 廃業した、しあわせという名前の後輩の話です。前座の一番大事な仕事はお後の師匠にネタを伝えることだと思います。前の人のネタが分からないと、自分のやるネタが決められないからです。主にネタ帳に書いてお伝えをするのですが、それができないこともあります。マクラが長い人だと、時間ギリギリまでネタが分からずネタ帳が書けないのです。そういう時は口頭でお伝えして、後でネタ帳を書くこともよくあります。

 緊張をしてしまうのか、しあわせはそれが苦手でした。ある日、正蔵師匠が高座で「新聞記事」というネタをやっていました。それをしあわせが間違えて

正蔵師匠は「新聞記者です!!」

これを聞いたお後の師匠が冷静に

正蔵師匠は「噺家」だよ

そんな彼は今は「噺家」でもなく「新聞記者」でもなく「郵便局員」だそうです。

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