後輩を人身御供にした話。

 ある日酒癖の悪い先輩と二人で、私の家の近く井の頭公園駅前に呑みに行くことになりました。嫌な予感がした私は同じアパートに住んでいた後輩を呼ぶことにしました。三人で呑んでいると、案の定先輩がくだをまき始め、我々に小言を延々と言い出しました。その先輩が吐き出した時

今だ!

その後輩を置いて私は走って逃げました!そりゃもうメロスの如く、富久の如く!後輩には悪いとは思ったのですが、、、いや本当は思いませんでした。自分が助かりたい一心で逃げました。後輩を置いておけば何とかなると思ったのです。ただ誤算がありました。

兄さーん!!!

なんと置いてきたつもりの、その後輩が追いかけてきたのです。私たちは夜の井の頭公園を駆け抜けたのでした。

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