楽屋噺

歩く現代アートの高座

投稿日:2021年2月27日 更新日:

 私のような凡庸な人間は高座で個性を出そうと必死ですが、中には個性ダダ漏れの人もおります。「ちょっとは個性抑えろよ」と言いたくなる人の代表が、歩く現代アートこと桂しん乃姉さんです。私は姉さんの「道具や」という落語をやっているのを見た事があります。「道具や」というのは与太郎がおじさんに道具の売り方をならって、売りに行くが客とのやり取りがめちゃくちゃで上手くいかないという噺です。姉さんの高座を見ていたら、なんと与太郎が道具を売りに行かなかったのです。

与太郎がこれから道具を売りに行く道具やでした(ぺこり)

うわあ売りに行かないんだ…

-楽屋噺

執筆者:

関連記事

no image

落語界のときわ荘

柳家花いち、古今亭志ん松、入船亭遊京の3人が前座時代に住んでいたアパートを『落語界のときわ荘』と呼んでいます。自分達で。風呂なし、トイレ共同、家賃2万8千円。本物のときわ荘と違うのは誰も有名になってい …

寄席の幟 新真打の幟が楽しみです

 昨日は上野鈴本演芸場の夜の部の出番でした。5人交互の出番で鈴本は月曜休みもあるので、私の出演はもう終了です。 寄席の入り口にはトリの師匠の幟を飾ります。今鈴本演芸場では昼の部のこみち師匠の幟と、夜の …

no image

しあわせの話。

しあわせになれる方法の話ではないです。しあわせという人の話です。「しあわせ」という名前の前座がいたのです。彼は大変に愉快な人だったのですが、噺家は廃業いたしております。彼とは前座時分に色んな思い出があ …

no image

中国から帰ってきた後輩の話。

 二つ目になって早々、中国を半年間旅した後輩の話です。彼は無事に帰国し、中国の経験を面白おかしく漫談に仕立て上げ「中国漫遊記」として高座で披露し、好評を得ていました。その時分に妙なことを口走るようにな …

no image

柏市の寿量院あみだ寄席

先日地元柏市のお寺さん寿量院さんのあみだ寄席に出演いたしました。玉の輔師匠とぴっかり☆姉さんと扇姉さんと私の四人でした。玉の輔は先日自宅マンションが火事になり、外に避難された女性に温かい飲み物を渡した …